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冬の京都2 東寺へ行く

 1日目続き。

 東寺は九条通と大宮通の交差する位置に有り、通を往来する車の騒音は結構うるさいのだが、境内に入ると外の騒音は意外な程感じられなくなり、何だか清浄な場所へ来た気分になると共に、ようやく旅気分が沸いてくる。他の寺社でもそうだが、塀一枚で隔てられたとは思えない程内部の空間は穏やかな静けさが保たれている様に感じる。多分に気分的な物だろうが、平坦で広い敷地に樹木と木造建築が点在する寺社では街中と比べて音が反響し難いのかも知れない。

 東寺と言えば有名なのが国宝の五重塔で、京都の観光ポスター等に頻繁に登場するのだが、私の記憶の中では逆光気味に黒いシルエットを浮かび上がらせる様な写真ばかりが印象に残っていて、色や細かいディテールを見た覚えが無い。今回ついに日が当たる正面から観る事が出来たのだが・・・やっぱり真っ黒だった(T▽T)。塗装が殆ど退色して塔全体がくすんだ色になっているのである。もしやと思って鞄からガイドブックを取り出して良く見ると、今まで逆光だとばかり思っていた写真が実は真っ向順光である事が分かったのだった(- -;)。

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 今京都では「冬の旅キャンペーン」と称して普段非公開の文化財を特別公開しており、東寺では五重塔の内部が公開されている。入ると中は8畳程の狭い空間で、四体の仏像がそれぞれ心柱を背にして四方を向く形で安置されていた。出口近くでは観光ガイドさんが参詣者を集めて解説を行っていたが、その集団には入らず入り口近くに有る仏像に近付いて眺めると、正直あまり出来が良くない。

「特別拝観料を取ってこの程度か。」

と不敬な事を考えていると、解説をしていたガイドさんが私が観ている仏像を指し示して

「あちらが○○○と言って、病気を治して下さる仏様です。」

と言ったので慌てて手を合わせた。

 東寺でもう一つ有名なのは立体曼荼羅と呼ばれる曼荼羅の形に仏像を並べた物である。21体の仏像が規則的に並んだ様子は軍隊の陣形にも似て、仏像が巨大なチェスの駒の様だ。他教から取り込まれた明王系の仏などには結構異形の物も多く、顔も怖いので(笑)一見悪の怪人軍団の様で見ていて楽しめる(^^;)。中でも気になったのは大威徳明王と言う仏で、一見阿修羅などと同じ三面六臂の姿に見えるのだが、良く見ると足も六本有るのが珍しい(目立たないが顔も実は六個有る)。仏師も普通の尻から足を六本生やすのに苦労した様で、太股の先から足が分岐する様に生えている。うーん・・・歩き難そうだ(笑)

 しかし並んだ仏像を比べて見ると、何故か如来や菩薩と言った善人面の仏像(失敬!)より、明王や護法神と言った異形や武人系の仏像の方が出来が良い。きっとそっちの方が仏師も作ってて楽しかったんだろうなぁ(爆)。

 続いてこれも特別公開中の東寺の『観智院』に行く。ここは宮本武蔵が吉岡一門との決闘後に身を潜めていた所だそうで、武蔵直筆と伝わる襖絵が有る。その内の一枚、『鷲の図』は、二羽の鷲が獲物を狙う姿を描いた物だそうだが・・・・・剥落が激しくて何が描いてあるのか分からん(T_T)。それでも特別拝観料を払っているのが悔しくて畳に座ってじーっと見つめていたら、僅かに残った墨の跡が頭の中で繋がってやがて鷲の姿が見えて来た。殆ど脳を鍛えるトレーニングである。一度形が見えて来ると僅かに残った墨から筆の勢いやフォルムのダイナミックさが感じられて来て、何だか良い絵に思えて来た。本当は見えてないのにな(笑)。

 もう一つの『竹林図』の方が保存状態はましだ。題名通り竹が群生している様を描いた物だが、竹の節が異常に膨らんだ形で描かれており、ユーモラスと言うか異様だ。小枝は余り描かれていないが、良く見ると竹の幹の先端から数本の小枝が熊手の様に伸びている。先述の異様に膨らんだ節と相まって、竹全体がまるで骸骨の腕の様だ。斬った敵の恨みと迫り来る追っ手の気配とを感じながら描いた絵なのかと思わせる。

 隣の部屋へ行くと、『五大虚空蔵菩薩像』と言う五体並んだ仏像が安置されていた。妙に現代人的な顔立ちをしており、仏像らく中性的でもある事から何となくジャニーズ系に見える。五人並んでいる所がまたそれっぽい。


 東寺を出て宿へ向かう。途中『梅小路公園』と言う地元の人が集う公園に寄り、沈む瞬間の夕日を眺める。広い原っぱでは凧揚げやボール遊び等、全国何処でも見られそうな情景が広がっていたが、隅の方に尺八の練習をしてる人が居るのが京都っぽい感じで(←観光客的発想))、辺りに響くその音色が夕闇に霞んで行く景色の中に一瞬古都の景色を浮かび上がらせてくれた様な気がした (なんてね(^_^;)ゞ)。


<つづく!>(・・・・・・今回も長いな・・・(-_-;))

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コメント

梅小路公園、懐かしいですね~。おにぎり
のんびり食べたりして。結構ディープな
旅でしたね。観光客だと結構忙しく、
市民の行かないスポットや、
いろんな寺を回りまくるのがオチで、
住民のよく使う公園とか、あまり見ないもん
ですから。

投稿: fuuuuuh | 2007.02.14 00:29

 梅小路公園とか京都御苑は本当に地元の人で賑わってましたね。神社の境内は子供たちの遊び場になってるし、石段は観光客に混じって地元の人がジョギングしてるし、何か日常の中にああ言う文化財が溶け込んでるって感じが良いですね。

 取り合えず新宿御苑も入場料取るなよ・・・・と、言いたかったです。(^^;)

投稿: うぃんすろう | 2007.02.16 02:25

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